試作品の次に、仕事の範囲を整理
「PR動画をお願いします」と言われたら、どこまで自分が担当するかを確かめましょう。
動画を作ることに加えて、素材の準備、修正への対応、投稿、広告への利用まで含むのか。育児の合間に受けられる仕事を選ぶには、この範囲を先にそろえることが大切です。
先に結論
AI動画の企業PR案件では、企画・素材・生成・編集・修正と承認・納品・投稿・広告利用を分け、自分の担当範囲を確認します。最初に「何を納めるか」「誰が確認するか」「どこで使うか」を決め、連絡できる時間と納期を合わせると、受ける仕事と用意する見本が具体的になります。
この記事では、仕事内容の担当表、初稿から承認までの進め方、依頼前に埋める確認メモを用意しました。読み終えたら、自分が受ける工程と、依頼主へ聞く項目を整理できます。
企業PRは、何をどこまで届ける仕事?
完成動画の納品、自分のSNSでの紹介、広告での利用を、最初に分けて確認します。
企業の商品やサービスを紹介する動画でも、制作したファイルを渡す仕事と、自分のアカウントで紹介する仕事では担当が変わります。まずは依頼文の「PR」が、どの成果物と作業を指すかを確かめましょう。
| 依頼の形 | 自分の担当を決めるポイント |
|---|---|
| 動画を制作して納品 | 完成動画を企業へ渡す形。企画・生成・編集のうち、どの工程を受けるか。投稿するのは誰かも決める。 |
| 自分のSNSで紹介 | 制作と投稿を受ける形。紹介する内容、投稿するアカウント、公開日、掲載期間、広告表示を確認する。 |
| 広告用に利用 | 動画や投稿を広告で使う形。利用する媒体・期間・編集範囲と、必要な広告利用の許可を決める。 |
この3つを組み合わせる依頼もあるので、納品後の作業まで聞いておくと整理しやすくなります。企業PRとほかの収益経路の違いは、AI動画で収益化する方法でも紹介しています。
企画から納品まで、誰が何をする?
担当工程に加え、企業から受け取る素材と、次へ進むための確認事項をそろえましょう。
「AIで動画を作る」という依頼も、工程に分けると必要な作業が見えます。下の表を見ながら、自分が受ける工程に印を付け、企業側が担当する部分を書き添えてみてください。

| 工程 | 担当を決めるときに聞くこと |
|---|---|
| 企画・台本 | 誰に、何を伝える動画か。構成を自分が考えるか、企業の台本に沿って作るか。 |
| 素材の準備 | 商品写真、ロゴ、説明文、音声は誰が用意するか。AIツールへの入力や加工が許可されているか。 |
| AI生成 | 背景、人物、イメージ映像など、生成する部分はどこか。商品の形や色を正確に見せる部分は、提供素材をどう使うか。 |
| 編集 | カットの選別、つなぎ、字幕、BGM、音量調整をどこまで含めるか。縦横の別サイズも必要か。 |
| 修正・承認 | 誰が初稿を確認するか。含まれる修正の範囲と回数、最終的にOKを出す人は誰か。 |
| 納品 | 動画の尺、本数、ファイル形式、渡し方は何か。編集データや生成素材の引き渡しも含むか。 |
| 投稿 | 企業と自分のどちらが投稿するか。説明文、広告表示、公開日、掲載期間は誰が確認するか。 |
| 広告利用 | どの媒体・期間で使うか。別媒体への転載、切り出しや再編集、広告利用の許可まで含むか。 |
例えば、企業から商品写真と台本を受け取り、背景の生成と動画編集を担当する形なら、最初に準備する見本もその工程に合わせられます。企画から投稿まで受ける場合は、それぞれの作業と確認に使う時間も見込んでおきましょう。
商品の色、形、ロゴ、説明文を見せる箇所は、企業から受け取った素材と照合します。雰囲気づくりに使う映像と、商品そのものを正確に伝える素材を分けると、初稿で確認してほしい点も明確になります。
初稿・修正・承認は、どう進める?
方向性の確認を先に行い、修正する箇所と、完了の判断を具体的にします。
映像を全部作ってから方向性を合わせると、構成から作り直す作業が増えます。依頼前に、次の順番と確認期限を相談しておきましょう。
- 企画や台本を確認する
伝える内容、必要な場面、商品表現を共有します。「この方向で制作する」と双方が合意できたら、生成・編集へ進みます。 - 初稿で見てほしい点を伝える
動画を送る際に、商品表現、字幕、音、全体の流れなど、確認する点を添えます。依頼主の窓口に修正意見をまとめてもらいましょう。 - 修正と変更を分ける
合意した内容に沿う字幕・音量などの調整と、新しい場面の追加や台本の変更を分けます。追加の生成や別サイズの制作が必要なら、費用と納期を改めて相談します。 - 最終版へのOKを残す
最終確認する人に、対象のファイルを指定して承認をもらいます。納品物と投稿の担当がそろったら、その版を渡します。
「修正1回」という言葉だけでは、直す量がそろいません。例えば、字幕の調整を含むのか、台本を変えて映像を再生成する対応まで含むのかを、先に書いておくと判断しやすくなります。
確認期限も、育児中の作業枠とセットで考えましょう。夜に作業するなら、企業がいつ確認できるかも聞き、初稿提出と納品の間に、返答を待つ時間と修正する時間を確保します。
依頼を受ける前に、何をメモしておく?
成果物、担当、承認、利用条件、支払時期を、一つの確認メモにまとめます。
相談の際は、次の項目を依頼主とすり合わせてください。自分の作業だけでなく、相手が素材を渡す日や確認を返す日も入れると、制作の予定を立てやすくなります。
| 確認メモの項目 | 書いておく内容 |
|---|---|
| 目的・成果物 | 用途、動画の尺・本数、縦横、ファイル形式。完成動画のほかに渡すデータ。 |
| 担当工程 | 企画、素材の準備、生成、編集、投稿、広告利用の操作を、誰が担当するか。 |
| 素材と利用許可 | 提供する写真・ロゴ・音声と受領日。加工やAIツールへの入力が許される範囲、機密情報の扱い。 |
| 工程ごとの期限 | 台本確認、初稿提出、修正意見の返答、納品の日付と時刻。 |
| 確認・承認の窓口 | 修正意見を取りまとめる人と、最終版へOKを出す人。 |
| 修正と追加対応 | 含める修正の範囲と回数。構成変更、追加生成、別尺・別サイズなど、追加相談にする条件。 |
| 投稿・利用範囲 | 媒体、アカウント、掲載期間。転載、再編集、広告利用の範囲と期間、必要な許可。 |
| 報酬・支払 | 金額、税込・税別、素材費や生成費の負担、支払期日・方法。請求書の提出先。 |
| 連絡できる時間 | メッセージを確認する時間、返信の目安、打ち合わせに対応できる枠。 |
例えば、企業の自社SNS向けに縦型30秒の動画を1本作る想定なら、「商品写真と台本は企業が用意」「自分は背景生成と編集」「投稿は企業が担当」「字幕と音量の修正を1回含む」と書けます。さらに、承認者、納品日、広告利用の有無、報酬と支払期日、返信できる時間を埋めると、受ける範囲がまとまります。
フリーランス法の対象となる業務委託では、発注側は仕事内容や報酬、支払期日などの取引条件を、書面やメール等で明示する必要があります。公正取引委員会の取引条件の明示に関する案内も確認し、相談で決まった内容を発注書やメールで受け取り、保存しておきましょう。
担当する工程が見えてきたら、仕事で見せる1本を準備しましょう。
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投稿と広告利用は、何を別に確認する?
投稿先、別媒体での利用、広告利用の許可を、それぞれの条件で決めます。

SNSへの投稿と、別の場所での利用
自分のSNSへ投稿するなら、投稿するアカウント、公開日、説明文、掲載期間を決めます。企業のSNSやウェブサイトでも使うなら、転載先と期間、切り出し・再編集の範囲も確認しましょう。
企業から依頼された紹介が広告であると分かるよう、表示する場所と言葉を企業とそろえておきます。消費者庁は、一般消費者に広告だと分からない「事業者の表示」をステルスマーケティング告示の規制対象とし、規制される主体は広告主と説明しています。消費者庁の広告表示の考え方に沿って、広告であることが伝わる表示にします。
広告へ使う期間と、必要な許可
広告として使う場合は、媒体、期間、再編集できる範囲、利用終了時の扱いを決めます。追加の費用が必要な利用は、制作費と一緒に条件をそろえましょう。
TikTokのSpark Adsには、クリエイターの投稿を広告に利用するため、投稿コードで許可する方法があります。TikTokのSpark Adsの公式案内を確認し、合意した対象と期間に合わせて必要な許可を行います。
広告表示・AI表示・素材の権利
TikTokで商品やサービスを宣伝するコンテンツには、商用コンテンツの開示設定が必要です。また、写実的な画像・音声・映像を含むAI生成コンテンツには、AI生成であることを示すラベルが求められます。広告の表示とAIの表示は目的が異なるので、投稿担当者と両方の要否を確かめましょう。
画像やBGMも、使う場所に合わせて権利を確認します。TikTokは、ブランド等を宣伝する投稿には商用楽曲ライブラリの音楽を推奨し、ライブラリ外の音楽を使う場合は必要な権利の取得を求めています。TikTokの音楽の商用利用に関する案内を、選曲時に確認してください。
AI生成素材は、公開・納品前に既存作品との類似や利用条件を点検します。文化庁のAIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンスでは、生成と利用で著作権侵害の判断が異なり得ることや、利用前の確認を説明しています。著作権・肖像権・商標の整理は、AI動画を投稿する前の権利の確認も参考にしてください。
媒体ルールと公的資料の確認日:2026年10月12日。
育児中は、どの範囲から引き受ける?
制作時間、返答できる時間、修正の余白を見て、対応する工程を選びます。
- 作業を区切れるか
台本確認、素材の準備、生成、編集を分け、確保できる作業枠へ入れる。 - 必要な連絡に対応できるか
返信の目安と打ち合わせ時間を伝え、依頼側の希望と合わせる。 - 修正の時間を残せるか
初稿から納品までに、相手の確認と自分の修正を行う時間を入れる。
例えば、メッセージを昼と夜にまとめて確認する場合は、その時間を依頼主へ先に伝えます。「在宅でできる」という条件に加え、連絡に求められる速さまで見ることが、受ける範囲を決める材料になります。
工程を絞って始めるなら、提供素材を使う編集、背景など一部分の生成、完成動画の納品まで、といった形で相談できます。その範囲に合う自主制作の見本に、担当した工程を添えておくと、依頼主も仕上がりと対応内容を見比べやすくなります。
担当と確認事項が決まると、準備する見本も決まる
AI動画の企業PR案件は、企画や生成だけでなく、素材、修正、承認、納品、投稿、広告利用まで分けて確認します。成果物と利用条件、連絡できる時間をそろえ、依頼前の確認メモを埋めましょう。
まずは、自分が受ける工程に印を付けてみてください。その工程を見せる1本を作り、制作の目的と担当を添えるところまで進めると、次の相談に向けた準備ができます。
次は、担当する工程を見本で伝える準備へ。
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